国語科教諭,百人一首部顧問 川野 貴志
昨年は,古文書の読解にだいぶ凝りました。(最近サボり気味かもしれません……)
こんな感じの文字を読みます。だんだん意味を感じられるようになっていく過程が、なかなかに刺激的です。筆の文字は、やはり美しいですね。
私は日頃、もっぱら現代文を講じています。そのような生活のなか「現代の知は、結局いずれも古典の流れをくんでいるはずで、どこかで古いものに触れなければ」と思い続けてきました。
もちろん、万葉集や源氏物語をひもといて、格闘する! ということも考えたのですが、もともと、書かれている内容よりも言葉そのものに興味が沸くタチでして(だから私は大学で言語学を学びました)、古文書読解という角度から行くのが自分には合っているのではないかと思い、始めてみたというわけです。
初学者は、お触れや嘆願書などから読み始めます。贅沢をするな、とか、息子の勘当をお役人さま認めてください、とか、市井の人々の人間臭さがダイレクトに見える資料です。
当然のことなのですが、昔の人も我々と同じように、揉めたり、悩んだり、こだわったりしていたことに改めて気づかされます。
ルーツを知る事は、自分自身を知ること。生徒のみなさんにも、古典や歴史の勉強などは、奥にある意義を噛みしめながらやってもらいたいと思っています。恐々謹言。