『原発を考える50話』 西尾漠
図書室で本棚を眺めていてタイトルが目に留まりました。東北の震災について書かれているのかと思い手に取ると、意外にも古い本で1996年に発行されたものでした。書中ではチェルノブイリの事故の概要、原子力発電の構造と日本の現状、原発との共存について考察し、原発が抱える問題を提起しています。
20年近くも前から原子力の制御の難しさや実際起こっている事故を認識していながらも、結局は福島の爆発に至り現在も収束してはいない状況を考えると、自分自身にも降りかかる大きな問題としてこれからのエネルギーの在り方を考えなければならないと実感させられます。本書は脱原発の視点で書かれたものではあると思いますが、原発存続の現在において批判的な視点から眺める必要があると思いました。
分かりやすく書かれており、中学生でも理解できると思います。身近なエネルギー問題や環境問題を考えるきっかけとしてこの本をお薦めします。
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