国語科教諭、吹奏楽部顧問 渡辺 徹
自分にとっての「究」とはなんだろう。データに手も加えず無断引用もせず何晩も徹夜して書き切った日本語イントネーション認識についての修士論文のことか、予備校の講習や参考書を読み漁り目の前の生徒を見ながら自分なりにアレンジを加え完成に向かいつつある現代文速読速解法のことか、いろいろ悩んだ末「テーマパーク」で書こうと思います。
テーマパークにはしばし現代文の論説文で取り扱われる資本主義社会の特徴が凝縮して存在しています。消費を促すためのストーリーや商品づくり、それまでの概念を覆すようなサービス(ツアー・アトラクション、ショー)の多様化、競争心を煽る仕掛け(ショーやパレードの席取り、開園ダッシュ、ネット予約の数秒売り切れ)、人々のスタイルに応じた過ごし方の提案(レストラン、ショー)など、あげればきりがないほどで、「サービスを提供する職業」に従事する私もそれらの仕掛けの理解を「究」めなければと思うことしきりです。
このような工夫で顧客を集めるテーマパークに実際休日や長期休暇中に訪れますと、多くの人、人、人でごった返しており、アトラクションは何時間待ち、ショーは座席がなく立ち見でも詰め詰め、などということもしばしばです。
そこで私は「賢い消費者」としてテーマパークでどう過ごすのか、を「究」めようと模索中です。オカネや時間をどう節約するのか、あるいは費やすのか、そのためには事前の計画と、当日の早起き、そしてダッシュが大変重要になります。実際、TDRで、漫然と朝の10時くらいにやってきて、漫然とチケット引換窓口に並び、漫然とアトラクションに並んで何時間待ちをして「一日で2つしか乗れなかったね」などと言っている人々を見ると(運営側から言うとそういう人の方が客としてはありがたいのでしょうか)、余計なお世話と思いつつ「もっとオカネや時間が有効に使えるのに」などと思ってしまいます(ちなみに私の場合、USJについては年間パスを持っていますので、逆に「如何に自分の時間を使うか」がテーマになりますが)。
さしあたって、TDR、USJ、南紀白浜については、「究」めつつありますので、これからは、他のテーマパークにも研究対象を広げていきたいと思います。