地歴科教諭・鉄道研究部顧問 中村啓一
究める? なんと自分には縁遠いテーマか……。履歴書風にいえば、「昭和○○年、××大学に入学。昭和△△年より金蘭千里高等・中学校に勤務、現在に至る。」で済んでしまい、とりあえず目の前のことをこなすことで精いっぱいな日々でした。
そこに、本年、大きな変化が訪れました。新クラブとして鉄道研究部が発足し、顧問に名を連ねたことです。電車のおもちゃに埋もれている、2歳頃の写真がありました。街中を電車の音を真似ながら歩き、目立つ建物を駅になぞらえて架空の時刻表を作るような少年で、いつしか、時刻表を駆使して旅行の計画を立てることが喜びとなっていました。
近年は、新幹線網が広がったことで、在来線のダイヤが寂しくなった気がします。宿泊費を浮かすのに便利だった夜行列車も、ほとんど姿を消してしまいました。リニア新幹線が開通するのは楽しみな一方で、「旅をするという感覚が得られるのか?」という気もして、複雑な気分です。
さて、クラブが発足するに際してマニアックな歓迎クイズを用意したり、7月に嵯峨野観光鉄道(トロッコ列車)や京福電気鉄道嵐山本線に乗ることを提案したり、おとな気なく?楽しんでいます。定年後に、故宮脇俊三氏のように全国を旅できることを俟ちつつ、鉄道が社会に果たす役割などを考察できるようなクラブに発展させていきたいと考えています。
図版は貴重な1冊「JNR(Japan National Railway)編集」時刻表の長い歴史のなかでも、この号だけの名称です。