金蘭千里50式

金蘭千里学園50周年特設サイト

「金蘭50式」は、50周年を迎える金蘭千里中学校・高等学校の「今」をお伝えする特設サイトです。一年にわたり、様々な視点からのコンテンツを50個ずつ発信して、金蘭千里の姿を描き出します。

活躍50色

佃 秀昭さん(エゴンゼンダー株式会社 代表取締役社長、15期)

佃 秀昭1

創立50周年、大変おめでとうございます。卒業生として誇りに思います。

私が卒業したのは1982年ですから、それから随分と長い年月が経ちました。今でも時々当時を振り返ることがあります。何故なら私の人生の中で殆どの時間を占めている「職業」と「趣味」の土台を母校での6年間の教育が築いてくれたからです。

まず「職業」ですが、東京大学法学部を卒業後、当時の三和銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)に就職し、入社4年目に企業派遣で2年間MITの経営大学院に留学しました。三和銀行には国際部門・人事部門を中心に都合13年近く勤務しましたが、金融業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、「日本企業を変えたい」「日本を変えたい」との思いを強く持ち、1998年に転職。2000年にエゴンゼンダー社に再転職しました。

エゴンゼンダーはスイスに本社がある世界的な企業統治・経営人材コンサルティング会社です。私は、現在日本法人の代表取締役社長を務めながら、日本企業の経営者を主なクライアントとして、企業統治改革や経営人材強化のお手伝いをしています。日本企業では未だ馴染みの薄い「取締役会評価」という手法で日本企業を支援している恐らく唯一の会社です。また、日本でも最近注目されつつある「社長後継計画」のコンサルティングで他の追随を許さない地位を確立しています。新聞などで「○○社、社長を外部から招聘」という報道が増えていますが、大企業案件の大半を当社が支援しています。社内の次期社長候補者を私たちが時間をかけて評価し、適任者がいなければ外部から招聘するのです。

実は今年1月に本社の経営委員会メンバーに任命されました。大変名誉なことですが、同時に責任感とプレッシャーを感じます。私以外のメンバーはアメリカ人、イギリス人、スイス人、ドイツ人、オーストラリア人、ブラジル人、インド人、シンガポール人と国際色が大変豊かです。経営委員会は、年に何度も数日間泊まり込みで朝から深夜まで英語で議論します。当社は世界40カ国以上で事業展開していますが、中長期のグローバルな経営戦略をどうするか?日の丸を背負いながら、海外の同僚と真剣に議論する毎日です。

今までの職業人生を振り返ると、やはり「英語」が重要な役割を果たしています。今振り返っても中学・高校6年間の充実した英語教育が土台を築いてくれたと強く思います。否、英語力だけではありません。論理的に考える力、地道に努力し目標を達成しようとする力、忍耐力、相手に自分の考えを伝える力、リーダーシップなど。これらは全て徒歩訓練や20分テストも含む母校での教育を通じて基礎固めをすることができたのです。

次に「趣味」ですが、私は中学3年から高校卒業までコーラス部に所属しました。ただ、変声期にサッカーで声を張り上げすぎて声の調子が良くなかったこともあり、途中から専ら指揮者をやっていました。当時の厳しい学校生活の中でコーラス部の活動が清涼剤となりました。ご指導頂いた顧問の先生、優秀な先輩方には大変お世話になりました。大学でも音楽を続けたいと思い、学生オーケストラに入りました。そして社会人となって随分たちますが、今でも趣味でビオラを弾き続けています。

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楽器を持っている写真はいずれも一昨年、中東のアブダビで世界的なテノール歌手のホセ・カレーラスとのコンサートでのもの。ウィーンのプロ音楽家・音楽大学生で構成するオーケストラに誘われ、滅多にないチャンスということでウィーンでのリハーサルに参加し、オーケストラの一員としてアブダビに行きました。ビオラの腕前が「?」な私が何故参加できたのかは、話が長くなるので割愛させて頂きますが、一言で言えば「人の縁」が全て。まさに、人の縁が持つ「無限の可能性」を実感した経験でした。

出会った人との縁を大事にする。何事も前向きに考える。諦めない。迷ったらとりあえずやってみる。人生は一度きりだから思う存分楽しむ。どんな経験も無駄な経験はない。世のため人のため。志を高く持つ。リーダーシップとは人を幸せにすること。人は一人では生きていけない。周囲への感謝。このような人生観を、今まで人生を歩み多くの失敗を重ねるなかで、自分の未熟さを周囲の皆さんに指摘して頂きながら徐々に築いてきました。その原型は母校での先生方、クラスメート、部活動での諸先輩・後輩の皆さんとの出会いと交わりの中で形成されたのです。

2012年秋に金蘭千里高等学校卒業30周年の同窓会が開催されました。そのとき我が胸に去来したのは「同級生に対する思いやりの気持ちを当時もっと持つべきだった。」「高校卒業後にもっと早くに同級生と邂逅すべきだった。」という後悔の念でした。一方で「何と素晴らしい仲間に恵まれていたことか!」という、この上なく幸せな気持ちにもなれました。今更後悔しても始まりません。これからの残された人生、ひたすら前向きに考え、母校の同窓会活動に積極的に参加し、また同窓会活動を積極的に支援させて頂きながら、「人の縁」を大事にしながら、微力ながらも皆様に恩返しをしたいと考えています。

最後になりますが、現役の在校生の皆さん、是非とも一度しかない金蘭千里での学生生活を謳歌してください。人生は一度きり。皆さんには無限の可能性が広がっています。