金蘭千里50式

金蘭千里学園50周年特設サイト

「金蘭50式」は、50周年を迎える金蘭千里中学校・高等学校の「今」をお伝えする特設サイトです。一年にわたり、様々な視点からのコンテンツを50個ずつ発信して、金蘭千里の姿を描き出します。

活躍50色

山田展之さん(14期、産業翻訳者、通訳案内士(英語))

7LNNnDJ_iSNyQ3_1416799494_1416799533

普段より母校のご発展の声を聴くたびに、卒業生として誇らしく思う次第です。
この度は50周年、本当におめでとうございます。

私は、現在、産業翻訳者として日本語を含め7言語で知的財産と工業関連の翻訳に従事しております。フリーランサー(自由業)という立場ですが、大手の翻訳会社に登録し、幸いなことにほぼ毎日稼働しております。金蘭千里高校、在学中は高校三年生の夏に英検1級に最終的に合格しました。そして、高校在学中に独学で勉強していたスペイン語の試験に大学1年のときに合格し、日墨政府交換留学生としてメキシコのプエブラ市に9か月間滞在しました。そして、21歳のときから、当時、大学に付設されていた語学研究所というところで4年間、韓国語の授業を受けて、大学卒業時には、4言語での会話が可能でした。具体的には、日本語、英語、スペイン語、韓国語です。在阪の特許事務所に7年間勤務する間、必要に迫られ、ポルトガル語、フランス語、イタリア語の翻訳も行いました。ほかの会社の業務や仕事にも共通していえることだと思いますが、翻訳業において重要なことは、①納期②形式③内容④+αの実力です。内容が三番目に来ていることは、多くの皆様にとって意外なことかもしれませんが、約束の納期までに仕上げることは、実に大切なことなのです。形式とは、誤字、脱字、訳し漏れがないかということです。そして、翻訳業も競争社会なので、実力の研鑽は常に必要なのです。

大学に入って、哲学を学んでいるときに、デカルトの思想に触れました。皆様の中にも、高校の倫理社会の時間にその哲学者の名前と概要について学ばれた方がいらっしゃるかと思います。演繹法と帰納法という考え方があって、これが微妙なのですが、大雑把に申しまして、経験と歴史の違いという概念の妙味なのです。個人的な経験は演繹法に属し、帰納法は歴史に基づく英知といってもいいかと思います。自分発の意見か、複数の他人の意見の要約かという違いでもあります。これは、どちらがいいかということは言えません。しかし、翻訳と通訳という技能に関していえば、他人の意見の要約を行い、それを別の第三者に伝えることはとても重要です。

主観と客観という概念も、自分という存在なしには、両方ともありえません。産業翻訳に関していえば、実務とビジネスマナーが重要で、やはり、在宅の仕事であっても、一般の社会人と同じ覚悟が必要となります。

私は3年前に通訳案内士(英語)の資格をとり、訪日外国人の通訳ガイドも行っております。皆さんは、翻訳と通訳は、語学を使う代表的な職業という印象をお持ちだと思いますが、翻訳の多言語はありえても、通訳に関しては、母語以外に2言語が限界だという認識が一般的です。通訳の場合、とっさのやり取りについて辞書を使うことは時間的に不可能です。尤も、場合によっては、それが許されたとしても、0.1秒の間が大切な分野なのです。それに比べて、翻訳はネットでの検索能力や調査技術が生かせる仕事なのです。私のようなおとなしい性格の者には翻訳が向いていそうですが、最近では、接遇サービス業である通訳ガイドにも進出しています。

脳科学の本によりますと、脳の機能うち前頭葉が最も重要で、物事の優先順位を決めたり、空気や相手の顔色を読んだりするのに役立つ部位だということです。結論から申しますと、前頭葉を駆使しない仕事やビジネスは存在せず、言い換えますと、人を介さない職業もないということです。あと、先ほども申しましたが、競争がない分野もありません。

人生で、後悔しないためにも自分の適性に合った分野で、とことん自分を磨く訓練を、若いときから重ねていただきたいと思います。金蘭千里の在校生の皆様、そして金蘭千里を目指して勉強されている受験生のみなさんが多くの成果を得られますよう、母校のご発展をお祈り申し上げます。