金蘭千里50式

金蘭千里学園50周年特設サイト

「金蘭50式」は、50周年を迎える金蘭千里中学校・高等学校の「今」をお伝えする特設サイトです。一年にわたり、様々な視点からのコンテンツを50個ずつ発信して、金蘭千里の姿を描き出します。

活躍50色

飯間郁容さん
(フラメンコ舞踊家・振付師、ペーニャ・フラメンカTAKARAZUKA代表   15期)

2014年11月1日(2014年11月1日 宝塚音楽回廊)

まずは、母校創立50周年の記念すべき節目に寄稿させていただける名誉に感謝いたします。

そして、伝統を守りながら時代と共に進化し続ける母校の現在・過去・未来に敬意を表します。

私の仕事は、踊りを通して人々の心を元気にすることです。
元気とは私達が生まれた時に元々持っていたパワーのことです。人は踊ることで本来の自分自身を取り戻すことができます。

幼少の頃より踊り全般を学びましたが、現在専門としているのはフラメンコです。
フラメンコとは、スペイン南部アンダルシアの大地で育まれた伝統芸能で、2010年にはユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。伝統的なフラメンコのスタイルは、情熱的で躍動感あふれるバイレ(踊り)、哀愁漂ようギター、そして魂の叫びとも云えるカンテ(歌)の三位一体で構成されます。
そして、フラメンコが表現するものは人間の感情ですので、分かり易くどなたでも楽しんでいただけます。

ソリオミッドサマーライブ(ソリオミッドサマーライブ「スペインの風」)

主な活動としては、国内外でのコンサート、イベント企画・出演、ホテルディナーショーなどの公演活動に加え、宝塚でフラメンコスタジオを主宰し教授活動も行っております。さらに、広く一般の方々にフラメンコを鑑賞していただけるタブラオ(フラメンコライブハウス)の営業も今秋から開始しました。また、舞踊団を結成し、地元のイベントにも積極的に参加させていただいております。

昨年スタジオ開設15周年を迎え、スペインからゲストを招聘して様々な記念行事を開催致しました。

劇場公演(劇場公演)

ホテルディナーショー (ホテルディナーショー)

私がどのような経緯でフラメンコと出会い、なぜフラメンコダンサーの道を選んだのか? とよく尋ねられます。

高校生の頃の私は薬剤師を目指して受験しました。しかし薬科大学には入学せず、両親が勧めてくれた奈良女子大学で物理学を専攻しました。卒業後日立製作所に就職しコンピューターの顧客教育に10年間従事しました。日立では様々な経験を通して本当に多くのことを学ばせていただき、充実した日々を過ごしておりました。もちろん定年まで働くつもりでおりました。しかし、職場近くにできたフラメンコ教室に週1回通い始めて5年、気が付けばスペインへ留学しフラメンコのプロを目指していました。。。。
思えば子どもの頃、歌や踊りが大好きだった私は、自宅に友達をたくさん招待してコンサートの真似事をして遊んでいました。
かなり遠回りをしましたが、子どもの頃の夢がやっとかなったのかも知れません。すべてが必要な経験だったのでしょう。

在校生の皆さんの中には、将来の目標がすでに明確になっている方と、まだやりたいことに出会っていないため進むべき道を迷っている方とがいらっしゃると思います。私の生き方が何かの参考になれば嬉しいです。
それは、「縁を大切に生きる」という事です。縁は様々な形象で現れます。人であったり、助言であったり、経験であったり。。。良い縁も好ましくない縁もすべてがチャンスです。その縁を祝福し感謝して受容することで成長できます。そして過去の自分に執着せず、今生かされていることに感謝して今を精一杯生きることで、より進化するための新たな縁が生まれます。
それが、「縁を大切に生きる」ということです。

もう一つ、在校生の皆さんにお伝えしたい大切なことがあります。
それは、日本人として誇りをもって生きて欲しいということです。そのためには日本の歴史や文化、伝統をしっかりと正しく学び、継承していかなければなりません。それが真の国際人としての必要条件であると私は思います。
私は仕事柄外国人と接する機会が多く、また定期的にスペインへ滞在します。
恥ずかしながら自分の国(日本)のことをほとんど知らなかった私は、スペイン滞在中に色々な意味で本当に恥ずかしい思いをし、根なし草のような自分を深く反省しました。そして帰国後、古事記から学びなおしました。
そして、日本が2674年続く世界最古の国家であることや、世界で最も人気のある国であることも知りました。
震災の折に秩序を守りながら互いに助け合い感謝し合う日本人の姿を見て、世界中の人がその精神性の高さに感動し、「すべての日本人がキリストのようだった」と感想を述べました。

フラメンコはスペインのものですが、心は日本人としての誇りを持ち、心技体のバランスの取れた精神性の高い踊り手として活動していきたいと決意しています。

Exif_JPEG_PICTURE(六甲山石宝殿「白山の宮」奉納)

2年前の同窓会の折に、辻本学校長よりお言葉をいただきました。
「ダンスが義務教育になったので、生徒たちに何を教育すればよいか舞踊家としてのアドバイスが欲しい」
このお言葉を新たな「縁」ととらえ、現在は教育現場でのダンス指導を手掛けております。
まず地元の宝塚市文化財団に提案し、教育委員会のご協力もいただきながら、今年6月に学校の体育の先生方を対象としたダンスのワークショップを開催いたしました。宝塚市以外にも波及していくことを夢見ています。

「スポーツなんでも事典~ダンス~」掲載写真「スポーツなんでも事典~ダンス~」掲載写真(コルドバコンクール出場)

先日、生徒の発表会を開催しました。生徒たちはそれぞれの人生の中でフラメンコと関わり、受験勉強の合間や、子育ての合間、仕事や看病の合間などの限られた時間の中で一生懸命練習し、今の自分の精一杯を表現するために舞台に立ちます。
舞台で輝く生徒一人ひとりの姿を見る時、この仕事を選んで本当に良かったと実感します。

生徒発表会 (生徒発表会)

母校の同窓生がいつも私の活動を応援してくれます。遠くから公演に足を運び、励ましてくれます。
本当に嬉しいです。ありがたいです。友達は人生の宝です。大切に、大切にしたいです。

最後に、私が今も守っている母校の教えを3つ。
「優先座席には座らない」 「5分前行動」 「早朝の美化活動(清掃)」

母校の益々の発展を祈り、学力はもちろん精神を鍛錬する道場であり続けて欲しいという願いも込めまして、創立50周年のお祝いの寄稿とさせていただきます。ご縁に感謝します。ありがとうございました。

2014年11月5日 飯間郁容

ベガホール(宝塚ベガホール)