金蘭千里50式

金蘭千里学園50周年特設サイト

「金蘭50式」は、50周年を迎える金蘭千里中学校・高等学校の「今」をお伝えする特設サイトです。一年にわたり、様々な視点からのコンテンツを50個ずつ発信して、金蘭千里の姿を描き出します。

活躍50色

町田 徹さん  (経済ジャーナリスト  11期)

町田徹さん

創立50周年、本当におめでとうございます。

半世紀にわたり、金蘭千里は単に勉強ができるだけでなく、様々な分野で指導力を発揮できる人材を数多く輩出してこられたと思います。これは簡単なことではありません。絶えず変化する社会の教育に対するニーズにも目配りしながら、学校としての金蘭千里の成長に多大なエネルギーを注いでこられた辻本賢理事長をはじめ、多くの教職員の方々の情熱の賜物と言えるのではないでしょうか。

私の場合、卒業から40余年の歳月が過ぎました。今なお忘れられないのは、在学中にご指導いただいた、2人のかけがえのない恩師のことです。お一人は、怪我で部活を辞めようとした私にご自身の主治医の治療を受けさせ、激励し、卒業までサッカー部の仲間との絆を強めさせてくれた体育の桂田敏明先生です。桂田先生は2009年3月末に定年退職されましたが、日本サッカーの黎明期に日本リーグの審判員を務めたサッカー界の功労者でもありました。

もうお一人は、経済ジャーナリズムの世界で30年以上も糧道を得るきっかけを与えて下さった、高校3年時の「政治・経済」の“テレビ眼鏡”先生です。当時、“テレビ眼鏡”は、大阪ミナミ・道頓堀の象徴だった食い倒れのマスコット人形とそっくりの黒縁の四角い眼鏡をかけており、不届き者の私たちはこの先生にこのあだ名を付けていました。語り口も噺家のように軽妙で、ルソーやジョン・ロック、アダム・スミス、ケインズらの難しい「政治・経済」論を、平易かつ面白く手ほどきして下さる先生でした。何を隠そう、この“テレビ眼鏡”先生こそ、少子化の激流の中で、10年前に金蘭千里学園の金蘭会学園からの分離・独立を成し遂げ、今日まで金蘭千里をしっかりと導いて来られた辻本賢理事長、その人です。

孔子が「天命を知る」と称した50歳をとっくに過ぎてそれなりの歳をとったせいなのか、それとも長く活動してきたせいなのか、理由はよくわかりませんが、高校時代は劣等生だった私も活動の範囲が少しずつ広がっています。書籍、新聞、雑誌、ネット、放送を通じた取材・言論活動に加えて、ここ数年は、国会で公益事業に関する意見陳述の機会を与えられたり、政府のタスクフォースのメンバーを仰せつかったりするケースがありました。そして今春、2万人を超す従業員を抱える「ゆうちょ銀行」の社外取締役も拝命しました。背景には、日本の株式会社制度が変革の波に直面していることがあります。そうした中でお引き受けした以上、「政治・経済」の授業で受けた手ほどきを忘れず、金蘭千里の卒業生らしく前向きに取り組んでいきたいと心をあらたにしているところです。

数年前、私は、自分が卒業した大学が整理・統合の波に飲み込まれて出身大学の名前がこの世から消えてしまうというちょっと寂しい経験をしました。私見ですが、原因の一つは、学校の存続・成長に情熱を燃やす教職員が金蘭千里ほど多くなかったからではないか、と思います。世の中の変化は目覚ましいですが、金蘭千里には、どうか次の半世紀も実り多き学校教育を成し遂げて、これまで以上に発展していただきたい。誠に身勝手ながら、卒業生の一人として、そのことを関係者の皆様に心からお願いしたいと思います。