金蘭千里50式

金蘭千里学園50周年特設サイト

「金蘭50式」は、50周年を迎える金蘭千里中学校・高等学校の「今」をお伝えする特設サイトです。一年にわたり、様々な視点からのコンテンツを50個ずつ発信して、金蘭千里の姿を描き出します。

活躍50色

中野有希子さん(西山動物病院 獣医師、41期)

 

この度は、創立50周年おめでとうございます。
わが母校が半世紀という歴史を積み重ねてこられたことに、卒業生の一人として大変嬉しく思っております。

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私はこの春、北海道の酪農学園大学獣医学部獣医学科を卒業し、獣医師として新潟市の動物病院で犬や猫の診療に携わっています。

私の卒業した大学では、4年の後期から研究室に所属し、各研究室での活動に専念します。私が所属したのは大学付属動物病院の画像診断科で、主にCTやMRIなどの高度画像診断機器を用いて、脳や脊髄などの神経の病気や、肝臓や皮膚などにできる「がん」の診断をしていました。

現在働いている病院は、CTやMRIなどの高度な画像診断機器はありません。いわゆる、「町の獣医さん」です。大学病院には、そんな町の獣医さんでは検査や治療の難しいような病気にかかったワンちゃんやネコちゃんが来ていました。しかし今勤めている病院では、ワクチンやフィラリアの予防など、健康に過ごしているワンちゃんやネコちゃんが来ることも少なくありません。

ところでみなさん、ワンちゃんやネコちゃんを飼ったことはあるでしょうか。特に、ワンちゃんを飼ったことがある人は、少なからず「無駄吠え」や「噛み癖」「家具を齧る」などの困った癖に悩んだ経験を持つ人が少なくないと思います。そんな、飼い主を悩ますワンちゃんたちの行動を「問題行動」と呼びます。吠えることや噛むことは、犬にとって本能的、生理的に正常な行動です。しかし、そんな正常な行動が飼い主を悩ます「問題行動」であることは少なくありません。そんな問題行動は身体的には健康なワンちゃんに起こることが多く、健康であるがゆえに毎日のお留守番で退屈し有り余る体力とストレスのはけ口として吠えたり、噛んだり、自分なりの「仕事」を見つけてしまっていることが多いのです。ワクチンなどで病院に訪れた飼い主さんの中には、そのような「問題行動」についてしつけの相談を持ちかけてくる人が多いと思いました。

そこで私は、そんな問題行動の原因を探り、治療したり予防したりする「動物行動学」や「行動治療」の分野に最も興味を持って勉強し始めました。一度問題行動として定着したものをやめさせることは難しいですが、子犬の頃から飼い主にとって「望ましい行動」と「やってはいけない行動」を教えていくことで飼い主と犬との絆を深め、問題行動の発現を予防することもとても大事なことです。

飼い主さんの立場になって問題行動に向き合っていくため、現在、病院内でドッグトレーナーの先生を呼んで病院内で実施しているパピークラスに参加し、愛犬「こだま」と犬のしつけ方を学んでいます。ここで学んだことは、実際に診察中持ちかけられるしつけ相談に生かされることも多く、パピークラスとこだまは、成書での勉強と並んで私にとって重要な教材のひとつとなっています。

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獣医さんといえば、体の病気を治すイメージが強いと思いますが、問題行動治療は飼い主と犬との関係性の治療だと思います。中には、人の発達障害のように、薬での治療も必要な場合もありますが、飼い主が犬と向き合い、根気よく治療を続けることで改善できる問題行動もとても多いと思っています。まだまだ勉強は始めたばかりでわからないこともたくさんありますが、いつかそんな問題行動を改善する手助けが出来るよう、今後も勉強を続けていきたいと思っています。

小さい頃から獣医さんになるのが夢で、小学生から獣医師を目指して頑張ってきました。もちろんこれまでにも何度か挫折しそうになったこともありますが、両親や金蘭千里の先生方など私を全力でサポートしてくれた方々のおかげで夢を叶えることができました。獣医師として働き始めてからもう5ヶ月経ちます。どの仕事もそうですが、決して楽しいこと嬉しいことばかりではありません。しかし、本当に諦めずにかなえた夢であれば、どれだけ辛いことがあっても前向きに頑張れるものだと、今、とても実感しています。夢を叶えた先には、また新しい目標が見えてきます。みなさんも、今もっている夢を決して諦めることなく、努力を続けてください。きっと明るい未来が待っています!

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